納豆は栄養豊富な大豆で出来た製品
納豆とは、大豆を発酵させた発酵食品です。大豆に納豆菌を混ぜ、発酵を促して作られます。
市販されている納豆には、加工方法の違いによって、粒納豆とひきわり納豆があります。
納豆の種類 | 特徴 |
粒納豆 | 粒のままで発酵させる納豆で、大豆の皮に含まれる食物繊維が多い。ひきわり納豆よりもミネラルを多く含んでいる。 |
ひきわり納豆 | 大豆の皮を取って砕いてから発酵させた納豆。粒納豆の1.5倍量のビタミンKが含まれている。 |
豆腐・豆乳との違い
同じ大豆製品である豆腐・豆乳との違いは、次のとおりです。
- 豆腐:豆乳を凝固剤で固めたもの
- 豆乳:大豆を煮詰めて繊維成分を除去したもの
大豆には、美容や健康に効果的とされる大豆イソフラボンが含まれています。
イソフラボンは女性ホルモンに似た構造・作用をする成分です。
皮膚の代謝を促進したり、髪を健康に保ったりする働きがあります。
納豆は、大豆製品の中でも大豆イソフラボン含有量の多いことが特徴です。
食品安全委員会が報告している、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンの量は、以下の表のとおりです。
食品名 | イソフラボン平均含有量(100gあたり) |
納豆 | 73.5mg |
豆腐 | 20.3mg |
豆乳 | 24.8mg |
納豆1パックは50g程度のため、納豆1食分に含まれる大豆イソフラボン含有量は約37mgです。
豆腐や豆乳よりも、多く含まれることがわかります。
納豆ダイエットは本当に痩せる?
納豆ダイエットですが、残念ながら単に納豆を食べるだけで痩せる効果は期待できません。痩せるためには摂取カロリーを抑える、または消費カロリーを高めることが大切です。
納豆はそのサポートをする役割と考えましょう。
たとえば、納豆により食べすぎを防いだり、食事のバランスを整えたりすると、摂取カロリーを抑えるのに役立ちます。
また、納豆に含まれているたんぱく質は、運動とあわせて取り入れることで筋肉量アップをサポートしてくれるため、基礎代謝を高め、消費カロリーを増やすのを助けてくれます。
納豆をうまく取り入れることで、普段の食生活や運動習慣を見直すきっかけにし、ダイエットに役立てることができます。
納豆のダイエット効果
1.ビタミンB2が脂肪燃焼を促進
納豆に多く含まれるビタミンB2は、脂質代謝を促進させるビタミンB群の1種です。脂質を分解してエネルギーへ変換します。
またビタミンB2は、肌や髪を健康に保つ働きももっており、美容効果も期待されます。
肌荒れや、髪のパサつきに効果的な栄養素です。
ビタミンB2は、大豆製品の中でも納豆に多く含まれます。
食品名 | ビタミンB2含有量(100gあたり) |
納豆 | 0.56mg |
豆腐(絹) | 0.11mg |
豆乳 | 0.03mg |
2.食物繊維たっぷりで便秘予防
大豆の皮には食物繊維が豊富で、粒納豆にも食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は、人間の腸内で消化・吸収されない栄養素です。
そのままの形で腸を流れ、排便を促す効果があります。
また食物繊維には、血中コレステロールを下げる働きもあり、ダイエット中に積極的に摂取したい成分です。
納豆ダイエットでは、食物繊維の整腸作用とコレステロール低下作用が期待されます。
ただし、ひきわり納豆は大豆の皮を除去しているため、粒納豆に比べてやや食物繊維が少ないことに注意が必要です。
納豆の種類 | 食物繊維含有量(100gあたり) |
粒納豆 | 6.7g |
ひきわり納豆 | 5.9g |
3.ナットウキナーゼで血液サラサラ効果
納豆には、ナットウキナーゼと呼ばれる酵素が含まれています。
ナットウキナーゼは血液の中の血栓を溶かし、動脈硬化を予防する働きのある酵素です。
血栓は、フィブリンという凝固物質が絡み合って作られます。
ナットウキナーゼはフィブリンを分解して、血栓を溶かす働きがあります。
4.納豆菌が腸内環境を整える
納豆を作る際に使用する納豆菌は、善玉菌の仲間です。
乳酸菌と同様に、整腸作用があります。
人間の腸内には数多くの細菌が生息しており、腸内フローラと呼ばれる環境を作っています。
腸内フローラには、腸の運動を促進する善玉菌と有害物質を産生する悪玉菌がおり、納豆菌は善玉菌に分類される細菌です。
納豆ダイエットをすることで、納豆菌が腸内フローラに働きかけ、腸内バランスを整えるのに役立ちます。
納豆ダイエットの正しいやり方
具体的に、納豆ダイエットは「いつ」・「どのくらい食べる」のが適切なのでしょうか。
1. 1日の摂取目安量は「1パック」
納豆をダイエットに取り入れる際の目安の量は、1日1パック程度です。
「たくさん食べた方が効果があるのでは?」と思うかもしれませんが、いくら納豆がカロリーが低いとはいえ、たくさん食べればその分カロリーや脂質を摂りすぎてしまいます。
納豆1パック(45g)は86kcalほどで、おにぎり1/2個のカロリーに相当します。
また、納豆に含まれる大豆イソフラボンは女性の健康づくりを助けてくれますが、たくさん長期的に摂りすぎると、乳がんのリスクになる可能性があることも知られています。
ダイエットを成功させるためにも、また健康のためにも食べすぎは控え、1パックを目安にしましょう。
2.減量が主な目的なら朝に取り入れるのがおすすめ
納豆を食べるタイミングは、ダイエット中であれば朝がおすすめです。
「納豆は夜に食べる方が良い」と言われることもありますが、それは血栓予防効果を期待するタイミングです。
朝にご飯+納豆など、糖質とたんぱく質を組み合わせて摂取することで、糖質だけを摂取した場合よりもエネルギー消費のスイッチが入ることが知られています。
3.糖質制限ダイエットと組み合わせると効果的
糖質制限ダイエットとは、糖質の多い食品の摂取量を減らし、血糖値の上昇を防ぐダイエットです。
血糖値が急激に上昇すると、インスリンと呼ばれるホルモンが働きます。
インスリンは、血糖値を下げるために糖を細胞内に貯蔵し、脂肪に変化させます。
糖質の多い食品を制限することで、インスリンの働きを抑制し、脂肪を作りにくくさせるのが糖質制限ダイエットです。
納豆1パック(約50g)に含まれる糖質は約6gと少ないため、血糖値の上昇を防ぎます。
そのため、糖質制限ダイエットと相性のよい食品です。