アスパラガス

【たんぱく質のこと】「たんぱく質といえばお肉をたべる」だけじゃない!筋肉を作るのに十分なたんぱく質が摂れる食材「アスパラガス」

アスパラガスにはグリーンとホワイトの2種類

アスパラガスの旬は、4月~6月の春から初夏にかけてです。
アスパラガスはヨーロッパでは、春を告げる野菜として紀元前から栽培されるほど古くから人々に親しまれています。
アスパラガスのほろ苦いような特有の味は、100gのアスパラガスに360mgと大変豊富に含まれているアスパラギン酸によるものです。
アスパラギン酸の名は、アスパラガスから発見されたことに由来しています。
また、アスパラガスには、栽培方法の違いによって、グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスに分けられます。

グリーンアスパラガス

グリーンアスパラガスは、ホワイトアスパラガスに比べて栄養価が高く、香りや風味も豊かだと言われています。
グリーンアスパラガスは緑黄色野菜に分類され、ビタミンとミネラル(ビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄など)が含まれています。

ホワイトアスパラガス

ホワイトアスパラガスは、ビタミンA以外の栄養素はグリーンアスパラガスと同様に含まれていますが、ビタミン類などの含有量はグリーンアスパラガスより総体的に劣ります。
ホワイトアスパラガスはグリーンアスパラガスより栄養価は落ちますが、ほんのりと苦みがあり、やわらかい食感です。

アスパラガスの主な栄養素と効果

アスパラガスは栄養豊富な緑黄色野菜の一種で、健康や美容に抜群の効果を発揮する特徴的な栄養素も含んでいます。

アスパラギン酸:疲労回復

アスパラガスの穂先には、アスパラギン酸が多く含まれています。
アスパラギン酸は、アミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたことからこのように名づけられました。
アスパラギン酸には、体のスタミナをつけて、疲労に対する抵抗力を高める作用があります。
ゆえに、スタミナ強化をうたったドリンク剤に、アスパラギン酸が配合されていることがあります。
また、アスパラギン酸は尿の合成を促進する働きを持っています。
たんぱく質に含まれる窒素から生成されるアンモニアは、尿として体の外へ排出されます。このアンモニアが尿として排出されず、体の中で循環器系に入ると体の各部分の活動の命令、調節、伝達を行っている中枢神経に悪影響を及ぼし、毒性を発揮します。
アスパラギン酸は、尿の合成を促進し、体の外へアンモニアの排出を促すことで、中枢神経を守ることに効果的です。

ルチン:生活習慣病予防・アンチエイジング

ルチンは、アスパラにふんだんに含まれているポリフェノールの一種。毛細血管を強く丈夫にして血流を改善してくれるので、高血圧や動脈硬化、脳卒中、心臓疾患などの生活習慣病の予防に効果があるとされています。
また、ビタミンCの吸収を促進するので抗酸化作用も期待でき、アンチエイジングや認知症予防にも有効です。

葉酸:妊婦さんにおすすめ

葉酸は、体の発育や赤血球の産生を助けるのに欠かせない栄養素です。特に妊娠中の女性は、赤ちゃんの健康のために意識して摂取する必要があります。
葉酸を豊富に含む代表的な野菜にほうれん草や春菊が知られていますが、アスパラもそれらと同等に多くの葉酸を含んでいます。

βカロテンや各種ビタミン:抗酸化作用・美肌効果

アスパラに含まれるβカロテンや、βカロテンからつくられるビタミンAには強力な抗酸化作用があり、癌や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな疾患の要因となる活性酸素を除去する効果があります。
シミやシワなどの肌の老化を抑える働きもあるので、美肌を保つためには欠かせない栄養素です。
このほかにも、アスパラは抗酸化力が強いビタミンCやビタミンEなどを豊富に含んでいます。

アスパラガスはたんぱく質が豊富な野菜

アスパラガスには100gあたり植物性たんぱく質が約2.6g含まれています。
植物性タンパク質を含む食品は、動物性の食品と比較してエネルギー量が抑えられるため、量をしっかりと食べることができ、満足感を得られ、減量中などでも食事を楽しみやすいといわれています。
また、植物性タンパク質を含む食品は水溶性ビタミンを含んでいるものが多く、エネルギーを効率よく産生し、活用することにも生かされると考えられます。

栄養を効率よく摂取できる、おすすめ調理法

アスパラの栄養を無駄なく摂取するためには、調理のポイントを押さえることが大切です。
次のようなおすすめの調理方法で、美味しさも栄養もたっぷりいただくことができます。

さっと茹でる

アスパラに含まれるルチンやビタミンなどの栄養素は水溶性なので、長時間茹でると水に溶けだしてしまいます。
できるだけ栄養を逃さないためには、切らずにそのままか、大きめにカットしたものを熱湯でサッと茹でるのがポイント。
かたい根元の部分を先に茹で始め、穂先は後から投入して食感を残しましょう。
茹であがったらすぐに冷水にとるようにすると色鮮やかに仕上がります。

蒸す・電子レンジで加熱する

水溶性の栄養素を流出させず、かつヘルシーに仕上げたいときは「蒸す」のが正解。
もちろん蒸し器を使ってもよいですが、手軽なのは電子レンジで加熱する方法です。
水洗いしたアスパラを耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジにかけるだけ。100gのアスパラ(3~5本程度)の場合、加熱時間の目安は500~600Wで1~2分ほどです。

炒める・揚げる

アスパラに含まれるルチンやβカロテンは、油脂と一緒に摂取すると吸収率がアップすることで知られています。
油で炒めたり揚げたりすれば、これらの栄養素を効率よく摂取できるだけでなく、水溶性の栄養素も逃さず取り入れることが可能です。
定番のソテーや豚肉巻きのほか、甘味が凝縮される素揚げや天ぷらなどもおすすめ。
熱に弱い栄養素を損なわないよう、短時間で加熱するようにしましょう。